正の数、負の数の加法・減法
小学校1年生で習った足し算について確認しよう。
公園で2人の子どもが遊んでいます。そこに6人の子どもがやってきました。全部で何人になりましたか。
小学校の算数では、正の数だけしか出てきませんでしたから、
2+6=8 と表すことができました。
しかし、中学校では、正の数と負の数を区別しますので、より丁寧に式を書くと
(+2)+(+6)=(+8) と表すことができます。
ちなみに、+2と+6を足す計算を、+2++6=+8 と書くと、++が2回重なってしまいますが、数学のルールで、符号を2回重ねることはできないため、+(+6)のように括弧をつけて書きます。
中学校での足し算にはどんなものがある?
そして、中学校からは負の数が登場しましたので、足し算の種類は、次の4種類が考えられることになりました。
(+2)+(+6) (正の数)+(正の数) (-2)+(+6) (負の数)+(正の数)
(+2)+(-6) (正の数)+(負の数) (-2)+(-6) (負の数)+(負の数)
ちなみに、中学では足し算のことをカッコ良く加法と呼びます。
そして、正負の計算では、答えの符号が+になるのか、-になるのかという符号のミスが起きやすいため、計算の大切なポイントとして、数の計算をする前にまず答えの符号をしっかりと決めてしまうことが大切になります。
中学の加法は、あるゲームをイメージしよう!!

こんなゲームを知っているだろうか?
青チームの小人と赤チームが小人がぶつかりあって数の多いチームが勝つというゲーム
そう。スマホの広告によく出てくるやつだ。
中学の加法ではこのゲームをイメージすると良い。
今、青チームをプラス軍、赤チームをマイナス軍として、まずは(正の数)+(正の数)の計算を考えてみよう。

青のプラス軍36人が+40のゲートをくぐろうとしている。
すると、(+36)+(+40)という計算になる。
そして、数字の計算の前に、符号を決める。ともに、青のプラス軍だから、符号は+になる。
符号を決めたら、次は人数の計算。
人数は、絶対値の和(36+40)である、76人になる。
同じプラス軍同士は符号も+のままだし、
人数は両方の足し算をすればよい。


それでは、今度は、青のプラス軍と赤のマイナス軍が戦う場面ではどのように考えればよいのだろうか。
このゲームでは、青チーム1人と赤チーム1人がそれぞれ一人ずつ消し合っていくので、
この場合、(+81)+(-45)という式で表すことができる。
そして、まずは符号を決めたい。先ほどと異なり、プラス軍とマイナス軍の戦いでは、数の多い方の勝利となる。
この場合、青のプラス軍の方が数が多い=絶対値が大きいから、符号は+になる。
そして、小人が一人ずつ消し合うから、人数は多い方から少ない方を引く=絶対値の差
+(81-45)=+36という答えになる。

教科書ではどう説明されているのだろうか?
このことを言葉にすると、右のような説明になり、どの教科書やテキストにも載っている。
しかし、同符号が、異符号が、絶対値の和が、差が、と言っているうちに混乱することは必至である。
教科書のこれらの説明は、上のゲームのルールを説明しているだけだと考えると簡単に理解できるのではないだろうか。

減法(引き算)はなぜ加法(足し算)に直すの?
たとえば、次の引き算(減法)はどのように計算するのだろうか。
(+7)-(+4) 教科書には、+4をひくことは、-4をたすことと同じだから、加法に直して計算する。
と突然宣言してくる。
そして、(+7)+(-4)=+3と答えを導く。
しかし、なぜ引き算を足し算に直すのか?
小学校の時は、7-4=3のように、7から3を引くという引き算を当然のように学んできたのにである。
これを考えるにあたって、先にあげた足し算の4パターンを引き算(減法)に変えたものを考えてみましょう。
(+2)-(+6) (正の数)-(正の数) (-2)-(+6) (負の数)-(正の数)
(+2)-(-6) (正の数)-(負の数) (-2)-(-6) (負の数)-(負の数)
減法に書きかえた場合、どのように計算すればよいかわかるでしょうか。
小学校までの引き算は、必ず大きい数から小さい数を引いていました。
しかし、中学になると、(+2)-(+6)のように、小さい数から大きい数を引く計算が出てきます。
また、(-2)-(-6)のように、負の数の(-6)を引くということの意味がわからず、何をすればよいのかわからなくなってしまいます。
そこで、引き算を足し算に変えてあげると、引き算も足し算と同じルールで答えを導き出すことができるのです。
実は同じようなことを小学生でも経験しているのですが、それは分数の割り算です。分数の割り算は逆数にしてかけると習うのですが、割り算のしにくさを解消するために逆数にしてかけていたのです。
最後に、引き算を足し算に直す方法について確認しておきましょう。
例えば、次のような計算をする場合、( )の間の符号を+に変えます。
(+2)-(+6)
↓
(+2)+(-6)
それと同時に、後ろの( )の中の符号も変えます。
この場合は、元の数が(+6)だったので、(-6)に符号を変えます。
なぜこのような符号の変更が可能かというと、+6をひくことは、-6をたすことと同じだからと説明されます。
そして、このことを理解するために、教科書では、正負の計算を学ぶ前に、次のような言葉の言いかえ問題が設定されています。

2個少ないということは、-2個多いと言いかえられるというのですが、これも教科書ではきちんと述べられてはいませんが、〔多い〕を+で〔少ない〕を-で表すとすると、計算式で-(+2)と表すことのできる2個少ないを、+(-2)という-2個多いと表すことができるということを先取りで学んでいるのです。
ただの言葉遊びに見えるため、何となく解けたけれど、それが何に使われているのかよくわかっていないということになりがちですが、実はけっこう大切な意味があったということです。
このように、減法も加法に直すことで、正負の計算の8パターンはすべて統一ルールで解くことができるというのが、今の教科書の説明です。こうしたことによって、かえって混乱する生徒もいなくはないですが、まずはこの考え方をしっかりと理解しておくことが、3つ以上の数が登場した時にスムーズに計算できる秘訣になります。
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